芸術は癒せますか(2)
視覚芸術でトラウマを癒す
アドリアナ・パレデス―スタッフ・ライター
「魂が窮地にあるときはいつでも、芸術は機知に富んだヒーラーとなります。」
– アートセラピスト ショーン・マクニフ博士
視覚芸術は言葉で表現するのが難しい悲惨な経験にあった人々を救うための手段として用いられています。ウォーカー・リード国立軍事医療センターの敷地内にあるヒーリング・アート・プログラムの創始者メリッサ・ウォーカーは、兵士がPTSD(心的外傷後ストレス障害)を含むトラウマ的な脳の損傷や精神の健康問題から立ち直る手助けをするための手段として芸術を用いています。
このプログラムは、回復しつつある兵士たちが創造的な安息所を見つけ出し、そこで埋もれてしまっている戦争後の思考や感情がアート・セラピーをとおして表面に出てくるように助けています。芸術活動にたずさわることによって、退役軍人たちは自分たちの損傷の状況に直面し、時として感じることがある不安を克服し始めます。
ウォーカーは、芸術を創造することは脳を休ませるので、認識能力と手と目の協同を改善すると言っています。ある実習では、兵士たちは雑誌の切抜きやビーズ、絵の具など好きな素材を使ってお面や、モンタージュ、はがきなどをデザインします。芸術的な創造は、 配置、傷害、さまざまな戦争体験、そして未来にかかわる彼らの内面の思考を反映します。
のちに、自分たちが作ったものについてグループで話し合います。作品を共有しあうことは、共同体やお互いにむずびついているという感覚を打ち立て、それが、自分の殻に閉じこもり、他人を信用しない傾向にある心的外傷後のストレスを抱える人たちにとりわけ役立ちます。
オーストリアの哲学者ルドルフ・シュタイナーは、病気のルーツは魂にあり、芸術活動は魂の表現だという原則でアート・セラピーを行うことを勧めています。アート・セラピーは人の調和とバランスを強め、それらをもたらし、疾患の解消を助けてくれます。
形而上学者でオーラの専門家バーバラ・Y・マーティンによると、偉大な芸術作品に単に感銘し、楽しむだけで、素晴らしい上昇と癒しの効果があるそうです。「芸術作品や美しい絵画の周りにはその創造の活力を反映するオーラが見えます。まさに現実の意味で、芸術家はその創造性の表現に自分の一部をつぎこんでいます。絵を観察するのに時間をかけることで、その上昇のエネルギーが見る人に伝わります。」とマーティンは言っています。
スピリチュアル・アーツ・インスティトゥートの幹部取締役のディミトリ・モライティスは、次のように付け加えています。「芸術はそもそもの初めからスピリチュアルな到達の道に含まれています。芸術は魂に直接語りかけ、私たちは皆、生まれつき創造的だということを思い出させてくれます。苦しい状況を癒すのに最速の方法のひとつが創造的な活動に携わることです。」
今度どのように感じているかを表現するための言葉が浮かばないときは、芸術の素材を手にとってください。魂に、視覚芸術の癒しのちからを経験する機会を与えてください。
出典: http://www.defense.gov/news/newsarticle.aspx?id=67465
Reprint from Aurablog.org. Copyright 2012, Barbara Y. Martin and Dimitri Moraitis
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